相続手続きに関する書類というとどのようなものを想像するでしょうか。
遺産分割協議書、遺言書等...
話合いや故人が自筆で書いたものに押印をして保管をするものをイメージすると思います。ですが実際の相続手続きはもっと事務手続きの色が強いです。
The士業において相続の概要やトラブルを避けるための注意点について述べてきましたが、今回は手続き的な部分に絞って解説したいと思います。
1.相続手続きって自分でできる?
特段の複雑な内容でなければ、ご自身で手続きを進めることは可能です。
法務局での無料相談サービスも解放されておりますし、ネットで検索すれば手続きの8割方はわかると思います。
下記で述べる事項を参考にしながらご自身でされるか専門家に相談するかを検討していただければと思います。
2.相談に必要な書類
相続手続きの難易度について語るためにどのような書類を集めるべきかを先に述べる必要があります。
提出先によって求められる書類は少々変わってきますが、必ず求められる書類があります。
それが「戸籍謄本」です。故人と相続人の戸籍一式を集めて銀行・法務局・証券会社等に提出するのが一般的なパターンです。
「なんだ、それだけ?」と思いたくなるような単語ですが、実はこの戸籍謄本がくせ者であり、大変な作業となります。
3.戸籍謄本とは
戸籍謄本とは、出生してから死亡までの人生経歴を記録した公的文書のことです。
記載内容は出生した年月日、家族構成や続柄、結婚した年月日等です。
戸籍謄本は本籍地の役所で請求することができます。
戸籍も年代によって書籍が異なり、現在はデータで保管されておりますが昔のものであると役所の方が自筆で記録されている書式になります。(自筆の解読がなかなか難しいんです...)
結婚等で新しく籍に入ったり(入籍)、外れたり、転籍したりすると籍は変わっていきます。戸籍法の改正があれば雛形の変更がその度にあり籍が変わっていくので、たいていの方は出生から死亡までの戸籍をたどるのにいくつもの戸籍を集める必要があります。
籍を入ったり外れたりする回数だけ集めるべき戸籍の数が増えていくのです。
4.戸籍集めはなぜ大変なのか
出生から死亡までの戸籍謄本が必要とこれまで述べてきましたが、戸籍謄本を一式揃えるのが本当に骨の折れる作業になります。
結婚による入籍や転籍を繰り返すだけ戸籍謄本の数は増えますし、県や地域をまたがって転籍を繰り返していればその分、その地域の役所に郵送請求をしなければなりません。
昔は今のようにコンビニで簡単に戸籍を取得する仕組みが無かったので、引っ越しがある度に住民票の異動に加えて、本籍地の異動もする方が多くいらっしゃいました。
ご高齢で亡くなった方の戸籍謄本を集めるとなると、各地域にいくつもの戸籍請求をしなければならないケースになるのです。
他にも、相続人が多くいる場合や、相続を放置していて何代にも渡る相続である場合は、集めるべき戸籍がその分多くなります。
一般的な3人程度の家庭での相続手続きであれば自力で何とかなると思いますが、兄弟姉妹が複数人いる場合や、既に何人かの方が亡くなられている場合での相続手続きだと、とても難易度の高いものとなるので専門家のアドバイスが必要となるでしょう。
まとめ
今回は手続きの側面について述べさせていただきました。
人が亡くなると税金面や遺品整理で考えることや相続人間で話し合うことも多いと思います。相続手続きにおいては提出期限が定められているものもあります。
大切な人がお亡くなりになり、悲しみに明け暮れている中で、慣れない難しい事務手続きに追われるのはとても大変なこととなります。
少しでもお悩みがございましたら、お気軽に当事務局までお問い合わせください!
今回の項が皆様の参考になれば幸いです。