社労士と学ぶマイナ保険証 ~従来の保険証が廃止される前に知っておこう!

マイナ保険証とは、健康保険証として利用できるマイナンバーカード(個人番号カード)のことです。2024年12月2日より従来の保険証は発行されなくなり、このマイナ保険証の利用が原則となります。
今回は、マイナ保険証の詳細や、利用においてのメリット・デメリットについて解説します。

目次

1.マイナンバーカードを健康保険証にするとどうなる?

マイナ保険証は、マイナンバーカードを健康保険証として利用する仕組みです。これにより、従来の保険証を持ち歩く必要がなくなります。また、「マイナポータル」という行政手続のオンライン窓口を通じて、自分の健康情報や医療費の確認ができるようになります。

※従来の健康保険証は、有効である限り、2024年12月2日から最長1年の間使用できます。

マイナンバーカードを取得していない場合は、ご本人の被保険者資格取得手続き時に希望を出すと、協会けんぽ等の保険者から「資格確認書」が無償交付される予定です。この資格確認書を医療機関等の窓口に提示することで、引き続き一定の窓口負担で医療を受けることができます。

2.目的や利用方法は?

●目的

医療機関や薬局での手続きの簡略化と迅速化。
医療費の支払い状況や健康診断の結果などを一元管理し、効率的な医療を受けられるようにする。

●利用方法

【マイナポータルへの登録】
マイナポータルに登録し、マイナンバーカードを健康保険証として利用する設定を行います。

マイナポータル
パソコンやマイナンバーカードの読み取りに対応しているスマートフォンでご利用できます。
スマホのアプリはコチラからもダウンロードできます▼

マイナポータル
マイナポータル

【医療機関での利用】
・医療機関や薬局に設置されたカードリーダーにマイナンバーカードをかざすことで、保険証の確認が行われます。

・利用時には、カードのICチップに登録された情報をもとに、顔認証または暗証番号で本人確認を行います。

3.マイナ保険証のメリット・デメリット

マイナ保険証を利用することには、さまざまなメリットとデメリットがあります。

◇メリット

・利便性の向上
カード1枚で複数の機能:マイナンバーカードを持っているだけで健康保険証の機能も果たせるため、従来の保険証を別に持ち歩く必要がありません。

オンラインでの手続きを簡略化:マイナポータルを通じて医療費の確認や健康診断の結果をオンラインで確認できるため、手続きがスムーズになります。

・情報の一元管理
医療情報の共有:医療機関の間で情報が共有されることで、スムーズな医療提供が可能になり、重複した検査や診療の回避に繋がります。

正確な情報把握:自分の医療費の状況や診療履歴を正確に把握できるため、医療費控除などの申請がしやすくなります。

・セキュリティの向上
顔認証と暗証番号:顔認証や暗証番号による本人確認が行われるため、他人による不正利用のリスクが低減します。

・医療の質の向上
適切な治療:過去の医療情報に基づいた適切な治療を受けやすくなります。

緊急時対応:必要な情報をすぐに確認できるため、緊急時の対応が迅速化されます。

◆デメリット

・導入の遅れ
未対応の医療機関:まだすべての医療機関や薬局がマイナ保険証に対応していないため、従来の保険証を持ち歩かなければならない場合があります。

・個人情報保護のリスク
情報漏洩の懸念:マイナンバーカードを紛失した場合、個人情報が不正に利用される可能性があります。

・セキュリティ対策の不備
セキュリティ対策が十分でない場合、情報の不正アクセスのリスクが発生します。

・技術的な問題のうち、システム障害:医療機関のシステムトラブルが発生すると、保険証確認に時間がかかることがあります。

・操作の複雑さ
高齢者やデジタルデバイスに不慣れな方にとって、システムの利用や手続きが難しく感じる場合があります。

・利用開始までの手続き
登録手続きの手間:マイナポータルに登録し、利用開始の手続きを行う必要があるため、初期設定が手間に感じることがあります。

まとめ

マイナ保険証の導入は、日本のデジタル化や医療の効率化を推進する重要な施策です。利便性や医療の質の向上といったメリットがある一方で、セキュリティの課題やシステム対応の遅れといったデメリットも存在ます。
今後は、システム対応の進展やセキュリティ対策の強化が進むことで、より多くの人にとって利用しやすい環境が整備されることが期待されます。

この記事を執筆した士業さん
成島 賢司 Kenji Narishima

なりしま社労士事務所:社会保険労務士

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